CAGE & FELDMAN
《ソナタとインターリュード》ドキュメンタリームービー
2枚組CD
CD1
ジョン・ケージ:プリペアド・ピアノのための《ソナタとインターリュード》全20曲(69分)
CD2
モートン・フェルドマン《バニータ・マーカスのために》(75分・豊洲シビックセンターでのライブ録音)
チェンバリストの横山博が、ヒストリカルアプローチで再構築した、20世紀の古典、プリペアド・ピアノのための《ソナタとインターリュード》(1948)。1975年、高橋悠治のセンセーショナルな録音以来、日本人の全曲収録は2人目となる。
「正しいプリパレーション」によって得られた、このプリペアド・ピアノの音は、エキゾティシズムの中に気高さをそなえている。綿密に計算されたボルトやネジによって生み出される音色は、ダンパーペダルを踏み続けることで無限に折り重なり・・私たちのピアノという楽器に対する理解は強く揺さぶられる。
これはピアノではない。
“良く調律された” 打楽器アンサンブルだ。
ソナタとインターリュードより第2ソナタ
20世紀ピアノ音楽最大の傑作、モートン・フェルドマンの《バニータ・マーカスのために》(1985)。演奏時間70分を超えるこの静寂の作品のなかで横山はリズミカルに耳を遊ばせる。曖昧にゆれるフェルドマネスクとは無縁の問題作。
マーク・ロスコに代表される抽象表現主義絵画のよう、静かに空間を染める音楽が、そのフレームに、折り目正しく収められていく。
かつてストラヴィンスキーの音楽に触発されたフェルドマン。バレエ音楽《バニータ・マーカスのために》を提示した2020年豊洲シビックセンターホールでの歴史的ライブ録音。
《バニータ・マーカスのために》より
ケージの「沈黙の作品」は、1948年、当時勃興していたBGM配信会社に無音の楽曲を放送させる構想から始まった。無響室で絶対的な沈黙の不可知性を悟り、偶然性の作曲の開始を経て、1952年、コンサートピースの《4’33”》へ変貌した。初演したピアニストのチュードアが回顧するには、そこには偶発的なアンビエンスノイズだけでなく、瞑想的なカタルシスがあったと言う。
一方、抽象的な視覚芸術の影響が色濃いフェルドマンにとって、沈黙とは「対位法の代替物」として曲中に配置されるものだった。後期になると、不規則的でシンメトリックなアナトリア絨毯の模様が反映され、三つの異なる拍子に基づくモジュールを巧みに構成した傑作《For
Bunita Marcus》(1985年)が生まれた。約70分にわたってダンパーペダルは踏み続けられ、それは、まるで把捉し切れない広大な絵画のように、聴衆の時間感覚を眩惑する。
アメリカ実験主義を代表する2作品の魅力を 、チェンバロやパイプオルガンに至るまでの鍵盤楽器の歴史と機構を内面化した横山博が、精確なタッチで開示する。
CD1
ジョン・ケージ:プリペアド・ピアノの《ソナタとインターリュード》全20曲(69分)
CD2
モートン・フェルドマン《バニータ・マーカスのために》(75分・2020年 豊洲シビックセンターでのライブ録音)
¥3,000
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